テストとゴミ拾いのはなし

皆さん、こんにちは。
こんにちは…なんて書いていますが、いつも夜中や移動中にちょろちょろと書いて、公開設定をして昼間に公開しています。
この公開設定では、日にちや時間を設定するので、なかなかのプレッシャーがあるんですけどね…。(まぁ、変更できますけど、あえてプレッシャーを与えるというね)

さて、今回は、テストのお話です。
このお話は、テストエンジニア向けの書籍を書いたときに、あとがきで書いた内容なんですけど、ちょっと読んで欲しい人がいるので、内容も少し変えながら書きたいな…ということで、こちらに書き直してみました。

ある公園でゴミ拾いをしたはなし

ある公園には、ゴミがたくさん落ちています。
ゴミがあるのは、気持ちの良いものではないので、公園を利用する人たちは不快です。
なので、公園の管理者には、いつも苦情が寄せられていました。
そこで、ある日、公園の管理者は、公園を綺麗にするために、ゴミ拾いをすることにしました。

「ゴミ拾いする人集まれ~!」

ということで、参加してくれる人たちを募りました。
その結果、たくさんの人たちが、ゴミ拾いに参加してくれることに!うれしい限りです。

ゴミ拾い風景ゴミ拾い当日…。

参加者たちには、公園の管理者から「後はよろしく!」とゴミ袋だけが手渡され、思い思いの方法でゴミ拾いをしています。
素手で拾う人もいれば、ホウキを使って集めてから拾う人、掃除機などの機械を使う人も…、思い思いの方法なので、他にもいろんな方法で掃除したんでしょうね、きっと。
大勢の参加者がいたので、見えている大きなゴミは、みるみる無くなっていきます。

「いやぁ、綺麗になるっていいもんだねぇ」

そんな声も聞こえてきます。
こうして、みんなで頑張った結果、随分と公園は綺麗になりましたとさ…。

けど、ゴミは全部取り切れない

…が、公園からすべてのゴミを拾いきることは出来ませんでした。

小さいゴミなども含めると、やはり限界があります。
参加者の方々に任せていたこともあって、その人の感じ方によっても、ゴミと感じる人、ゴミと感じなかった人もいるようです。また、植え込みの中や、木陰、池の中などにも、まだまだたくさんのゴミが残っていました。公園全体を綺麗にするためには、これらのゴミも拾わなければいけません。

ソフトウェアテストで置き換えてみる

…とまぁ、普段、テストに関しての講義をしているときには、こんな感じで話をするわけです。
最後に、「どうしてですかね?」って質問する感じで、講義を受ける皆さんにも考えてもらっています。

ゴミ拾いのなはしって、ソフトウェアテストに似ているので、いつもしているのです。対比表としては、こんな感じですね。

ゴミ拾いのはなしソフトウェアテストのはなし
公園利用のルールソフトウェア仕様
公園ソフトウェア
ゴミバグ
公園の利用者ユーザー
公園の管理者テストリーダー(マネージャ)
ゴミを拾う人テストエンジニア
ゴミを捨てる人ソフトウェアエンジニア
(イメージ悪くてスイマセン、ご勘弁を…)
掃除の方法テスト(技法なども含む)

「ゴミを捨てる人=ソフトウェアエンジニア」というのが、結構、不評なんですけどね…。まぁ、勘弁してください。
ちょっと、これを踏まえて、最初の文章を、もう少しかみ砕いてみましょう。

ある公園は、多くの人たちが利用します。
ジョギングを楽しむ人、芝生で寝転がる人、木に登って遊ぶ人、遊具で遊ぶ人、池でボートを漕ぐ人などなど…。
公園の利用方法としてある程度のルールはありますが、そのルールに則れば、利用方法としては利用者次第です。

ゴミを拾う方法も、人によってさまざまです。
どれだけ綺麗になっているように見えても、なかなか、すべての小さなゴミまで取りきれるものではありませんし、隠れたところにゴミは残っているかも知れません(表向きは見えないので、分かりません)。
このとき、小さなゴミや隠れたゴミを拾えるかどうかは、ゴミを拾う人が気付くことが出来るかどうかにかかっています。
また、効率良く出来るかどうかも、拾う人によって変わるかも知れませんね。

また、みんなが勝手にゴミを拾おうとせずに、計画を立てて、例えば、芝生は「○○さんと△△さん」、池は「□□さん」などと決めることによって、公園の隅々まで効率的に、ゴミ拾いを進めていくことも作戦のひとつかも知れません。

ゴミを拾うことだけ考えてもダメなのよ

さて、ここまで、ゴミを拾う話ばかりでしたが、実際には、ゴミを拾い続けてもゴミが無くなることはありません。

というのも、その公園にゴミを捨てる人がいるからです。

ゴミを拾うことも大切ではありますが、やはり根本的に、綺麗な公園にしていくためには、ゴミを捨てない(出さない)ようにすることも、とても大切です。(最近は、エコブームで、ゴミの分別を…としきりに言っていますが、分別をする前に、ゴミを出さないことを考えた方が良いと思うのは、ボクだけでしょうかね?)

このように、ゴミを拾い集め、公園を利用する人たちに、ゴミがない綺麗な公園を楽しく利用して貰うことが出来れば、公園を管理している人たちにとっては、とてもうれしいことですよね。そればかりか、利用者の方々から「いつも公園を綺麗にしてくれてありがとう」などと言われれば、もっと嬉しいですし、更に、ゴミを捨てる人たちからも「ごめんよ、いつも捨ててばかりで、これからは気を付けるよ」なんて言われると、更に、モチベーションは上がっていきそうです。

さらに大事なこともあるよね

ゴミを拾う側の話ばかりになってしまいましたが、捨てる側についても同じようなことが言えます。

捨てないためには、どうすれば良いのか…これを考える必要があります。
ゴミを捨てない(捨てさせない)方法を考え、その上で、ゴミの拾い方を考えることが大事ってことですね。

また、利用者が100人いて、100人が使い勝手の悪いルールがあったとした場合には、そのルールについても検討する必要があるでしょう。「おいおい、ルールを直すなんて大変だろ」という声が聞こえそうですが、そりゃあ大変です。時間もかかります。本当に変えても良いものなのかも十分に検討する必要もあります。
ただ、利用者が使いやすいルールにすることを考えることを忘れ、「ルールだから」と切り捨ててしまうのは簡単ですが、やがて誰も使わない公園が出来上がる可能性だってあることに気が付くのも大切ではないかと思うのです。

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