ファン心理を考えてみたはなし

皆さん、こんにちは。

ボクは、野球観戦が好きでして、プロ野球では阪神タイガースのファンです。
北海道出身なので、ボクが小さいころは、基本的に周りは巨人ファンばかりだったんですけど、そんな中でタイガースファンになりました。たぶん、最初に好きになったのは、タイガースのユニフォームのカッコよさだったような気がします。今でも、トラマークも、ロゴも好きなんですが、それに縦縞にしびれたような記憶が…。
で、1985年の優勝のときには、ちょうど高校2年生で、修学旅行で京都・奈良に行ったんですが、自由時間に、数少ないタイガースファンの友人と一緒に、わざわざ大阪駅前にある阪神デパートに出かけて、阪神ショップで優勝記念グッズを購入してました…。
今は、関東近郊で試合があるときには、年に5回~10回くらいは、時間を見つけて観戦に出かけたりするわけです。よく行くよねぇなんて言われたりしますけどね、外野席だとチケット代は2,000円前後。自前でお酒とか持っていくと、居酒屋で飲むより安上りですからね。(球場で飲むと高いですけどね)

今年は、先々週なんですけど、神宮球場⇒東京ドームと、5連戦を予定していたんですが、仕事の都合で1試合だけ見に行けず…それでも、4回も見に行きましたよ。応援のし過ぎで声が枯れてしまうというね、いい年したおっさんが、どうしようもない感じになっちゃったわけです。
…で、応援に行っていると、特に外野自由席では、同じ顔触れが多いんですよ。たぶん、お互いに「お前ら仕事してんのかよ?」って感じで思っているような気がします。ボクは、あんまりグッズ類を持っていませんが、人によっては、全身タイガースな人たちもたくさんいて、そんな方々とも仲良くなっちゃうんですが、話をしていると、無茶苦茶タイガースに詳しいし、さらに、それに付随した情報にも詳しいんですよね。で、ファンって何だろう…なんて思っちゃうわけで。

前置きがむっちゃ長いんですが、そんなわけで、今日は、ファンについて考えてみたってはなしです。いつもと、ぜんぜん毛色が違う話で申し訳ない。

ファンって何だろう

まずは、いつものように言葉について調べてみた。まずは、ファンって何だろうかと。

スポーツや芸能、また選手・チーム・芸能人などの、熱心な支持者や愛好者。ひいき。「サッカーファン」
[補説]fanatic(熱狂者)の短縮形。

まぁ、なんとなくこれは分かりますよね、いわゆる何かに熱狂しているヤツは、全員ファンってことで…。
プロ野球であれば、特に、外野自由席あたりは、そんな熱狂的な人たちの宝庫になる訳です。なんで、外野自由席なのかというと、まず、ひとつには、外野自由席は、野球観戦する中で、チケット代が一番安いので、この自由席には、まずは、応援団が陣取ります。なので、近くにいると、応援に力が入れやすいので、その周りを、応援団以外の熱狂的なファンが陣取る…と。特に、自由席は、早いもの勝ちなので、球場が開く前から並んで席を確保する人もいますしね。
次いで、外野指定席⇒内野指定席⇒バックネット裏みたいな順で熱狂度が変わってくるわけです。指定席では、場所によっては、会社とかが年間シートを購入している場合もあったりして、見やすいんですが、熱量がぜんぜん違います。もちろん、熱狂的なファンでも、ゆっくり指定席で見る人もいますけど、大半はこんな感じかと。

甲子園の料金表は、こちら
あっ、甲子園は、プロ野球の場合には、全席指定に変わったので、外野自由席はないんですけどね…。まぁ、一般的な球場は、こんな感じということで。
熱量は、そのまま声の大きさに比例していくので、外野自由席では、大きな声での応援やら、ヤジやらが飛び交います。阪神ファンのヤジは、厳しいのも多いんですが、かなり笑えるのも多いので、それもまた楽しいんですけどね。そんな応援席で、応援をしていると、応援している人たちの背中が見えるんですが、皆さんそれぞれのお気に入り選手の名前+背番号が入ったユニフォームを着ていています。もちろん、うちわやらタオルやらグッズ類も推しメンのものにしている人も多いのです。ボクは、チーム全体が好きなので、誰がというのはないんですが、多くの方は、自分の推しメンがいて、そのグッズ類を揃えている感じです。

で、なんで皆さんお気に入りの人たちのグッズを身に着けたいのか?って疑問が沸きますよね。まったく興味のない人たちから見ると、この心理状態が分からないという話をよく聞きます。これって、別に野球に限った話ではなくて、サッカーでも、プロレスでも、アイドルでもみんな同じですよね。

ファン心理を探る

ファン心理については、実用日本語表現辞典では、以下のように定義されています。元ネタは、こちらね。

著名人や作品に対する熱心な愛好者・応援者に特有の心の動き。発売された関連商品は全て収集したくなる、などのような傾向を指す語。

「…などのような傾向を指す語」と、結構曖昧な記述ではあるんですが、まぁ、ファン心理なんて、千差万別だと思っているので「こうだ!」とは言い切れないでしょうけどね。実際、いろんな文献でも、このあたりを明確に答えているものには出会ったことがないですしね。で、このファン心理の構造としては、以下のような8つの指標があるようです。

【ファン心理の構造】

  1. 作品への評価
  2. 疑似恋愛感情
  3. 外見的魅力
  4. 同一視・類似性
  5. 流行への同調
  6. ファン・コミュニケーション(ファン同士のつながり)
  7. 尊敬・憧れ
  8. 流行への反発・嫉妬

これらのうち、どれが一番というのはなさそうですが、まぁ、こんな構造でファン心理は成り立っているようです。
ボクは、「外見的魅力」や「尊敬・憧れ」があって、さらには、ファンになったきっかけは「流行への反発・嫉妬」あたりなのかも知れません。最近は、「ファン・コミュニケーション」の比率も上がってきているような気もしますね。
よく言われる「にわかファン」みたいなものは、「流行への同調」が強烈にはまった結果で、さらには、「ファン・コミュニケーション」として渋谷のスクランブル交差点あたりでハイタッチするのでしょうね…。で、「だからにわかファンは…」とか言う人もいますが、ボクは、にわかだろうが、なかろうがファンであることには変わりはないので、良いと思うんですけどね。
ただ、「流行への同調」でファンになった人たちは、その流行が過ぎ去れば、ファン心理として離れていくことになってしまうので、その点は、寂しい限りです。まぁ、そんな心理状態も、上記の内容から考えると、「あぁそうかぁ…」なんて思えますよね。

与える派?見返り派?

もうひとつの考え方として、思考的な話もあります。

ひとつには、見返りを期待する思考の持ち主。
何かをしてあげるんだから、何かちょうだいというヤツね。ギブアンドテイクな考え方なので、一般的には、こちらの思考の方が多そうですよね。
A〇B48とかの握手券やら投票券は、もろに、これを利用していて、CD買ったら握手出来るよってヤツです。なので、ファンは、握手という見返りを求めて、CDとかを購入しちゃうし、総選挙で投票しちゃうわけです。で、これって、通常の購買意欲に近いものだと思っているので、ボクは、全然否定しないです。まぁ、使い過ぎには気をつけなさいよって感じではありますが、自分のお金で購入する分には、全然問題なしですしね。

もうひとつが、施しタイプの思考の持ち主。
こちらは、与えることに喜びを感じるってヤツです。相撲のタニマチやボランティアなんかが、これに該当するとは思います。ただ、タニマチとかでも、関取衆とかと一緒に入れることがご褒美と思っている人もいそうな気もするので、必ずしも、タニマチだから施しタイプだとは思えませんけどね。
で、この2つの思考は、相容れないものなので、どちらかの思考の持ち主は、もう一方の思考を理解出来ないようです。また、どっちが優れているとも言えません。何となく施しタイプの方が良さそうな気がしますが、過ぎたるは猶及ばざるが如しで、幸福な王子という童話のように、破滅的になることもあるでしょうしね。
ざっくりした幸福な王子のあらすじは、こんな感じ。

ある街に、若くして死んだとある王子を祭った幸福な王子と呼ばれる像が立っていて、目にサファイア、剣の装飾にルビーが輝き、身体はキンキラキンの金箔で、心臓は鉛で作られていた。で、その像には、死んだ王子自身の魂が宿っていて、この町の貧しい、不幸な人々のことを、嘆き悲しんでいました。
そこに、越冬のために、エジプトに渡ろうとしていたツバメが寝床を探し、王子の像の足元で寝ようとすると、王子の像の目から大粒の涙が降ってきた。
「なになに、どうした?」とツバメが聞くと、王子は、ここから見える不幸な人々に、自分の宝石をあげてきて欲しいとツバメに頼む。ツバメは、言われた通り、剣の装飾に使われていたルビーを病気の子供がいる貧しい母親に、両目のサファイアを飢えた若い劇作家と幼いマッチ売りの少女に持っていく。その後も、ツバメは、エジプトに渡らずに、街中を飛び回って、両目を無くして目の見えなくなった王子に色々な話を聞かせる。王子はツバメの話を聞き、まだたくさんいる不幸な人々に自分の体の金箔を剥がし分け与えて欲しいと頼む。
やがて冬が訪れ、王子はみすぼらしい姿になり、エジプトへ渡り損ねたツバメも次第に弱り、王子の足元で力尽きちゃう。で、そのときに、王子の鉛の心臓も音を立て二つに割れてしまう。やがて、みすぼらしい姿になった王子の像は、取り壊され、溶鉱炉で溶かされるが、まっさきに溶けそうな鉛の心臓だけは溶けずに、ツバメと一緒にゴミ溜めに捨てられた。
それを見ていた神様が、天使に「この街で最も尊きものを二つ持ってきなさい」と命じ、天使は、ゴミ溜めから王子の鉛の心臓と死んだツバメを持ってくる。神は天使を褒め、そして王子とツバメは、楽園で永遠に幸福になったとさ。

という話。詳しくは、こちらを見てね。
まぁ、こんな破滅的な感じに施す必要も無さそうな気もするけど、そんなタイプもいるって話です。

結論はあるのか?

まぁ、思考的な話では、施しタイプであっても、見返りタイプであっても、どちらのタイプも、ファンとして、何かを購入することはあり得そうです。
ただ、アプローチ方法は全く異なると思います。施しタイプの人に、何かをあげるから買ってよと言っても、全然刺さりそうにありませんし、逆に、見返りタイプの人に、応援だけしてよって話も刺さらない気はします。
ファン心理の構造のどれかの指標が盛り上がってきたときに、グッズ類の購買に繋がりそうな気はしますし、また、それを身に着けるという行動自体にも結び付きそうです。

ということで、結論としては、無いんですけどね。
とはいえ、これって、購買意欲に繋がる話だとも思うので、もうちょい調べてみたいなぁとも思っているところ。
まぁ、もう少し考えまとまってから、またブログで書きたいかなぁ…とも思っています。

で、そんなことを考えながら、今月もタイガースの応援をしようかと思っている次第です。

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