人間の脳ってすごい

皆さん、こんにちは。

9月に入り、もう秋を感じさせるほど、涼しい日が続いていますね。
7月は暑かったけど、8月は雨ばっかりだったし、夏が全然満喫出来ていないよねぇ…という話を聞くことがありますが、大抵の場合、何をもって夏を満喫するのかは分からない人も多いんですけどね…(笑
まぁ、自分も含めて、とりあえずは、夏らしくない夏に文句でも言っておこうみたいな感じでしょうかね。

さて、本日のネタは、先日読んだ本について書きたいと思います。
本のタイトルは、「進化しすぎた脳 中高生と語る「大脳生理学」の最前線」です。AI(人工知能)について調べている中で、ちょっと人間の脳についても知っておこうと思い、購入したものですが、これがまた面白かったんですよ。

東京大学大学院薬学系研究科教授の池谷裕二(いけがや ゆうじ)さんが、慶應義塾ニューヨーク学院高等部の学生たちに行った講義の内容をまとめたものです。本書の中では、学生を相手に説明しているので、専門的な用語を言うだけではなくて、それを平易な言葉で分かりやすく説明しているため、かなり読みやすいし、理解しやすい内容です。

ということで、あんまり内容を書いてしまうと、ネタバレになってしまうので、その中のほんの一部だけ、ボクにとってもかなり興味のあった部分を取り上げさせてもらおうと思います。

まずは脳の大きさの比較

聞いたことがある人がいると思うんですが、ボクも、むかーし誰かに脳の大きさとか脳のシワが多いのが頭が良いんだよ…みたいなコトを聞いたことがあります。「脳の大きさ=重さ=頭がいい」といった図式になる…みたいなね。まぁ、このネタは違うよってことは、これまた以前に何かの本で読んだことがあったのですが、書籍内でも、そのことに触れられています。

人間は進化の過程において最終的な産物というか、進化系統の頂点にいると思うでしょ?その考え方を拡張すると、人間こそもっともすぐれた脳を持っていると考えがちではないかな。(中略)大きさだけで言ったらイルカがヒトよりも大きな脳を持っている。ほかにも、ゾウやクジラなどの方が、人間より脳が大きい。

イルカの知能は、人間で言えば3歳児くらいと推測している研究者もいる。たしかにイルカは賢いかもしれない、他の動物に比べればね。でも人間にははるかにかなわない。こんなに立派な脳を持っているにもかかわらずだ。

これまた有名な話ではあるのですが、アインシュタインの脳は、ドキュメンタリー映画にもなりましたが、死後に取り出され、研究されまくり、もはや原型をとどめていないという話を聞いたことがあります。
その調査結果のひとつとして、アインシュタインの脳は、一般成人男性の脳よりも軽かったという話(詳しい重さは忘れたけど)は聞いたことがある人もいると思います。あとは、シワが浅いのでヒラメキが…とか、普通の人よりもなんとかっていう細胞が多かったなんて話もありましたが、詳しい話は忘れちゃいました…。ただ、この話を聞いたときに、頭の良し悪しは重さじゃないんだねぇ…という記憶が残っていたので、この本を読んでさらになるほどと思った次第です。

で、この立派な脳なのに、なんで知能が人間にはかなわないのか?という点についても解説していて、要約しちゃうと、ハードウェア(身体ね)が揃っていないということなんですよね。つまり、イルカは泳ぐことに特化している身体をしているが、人間は、目や耳、鼻、口、手足などの取り扱う部位が多く、そのハードウェアを扱うために、脳が発達しているということなんです。また、動物たちに比べて、運動神経を犠牲にして、知能を発達させたということで、このことを、実験結果なども交えて書かれているんですけど、これもまた興味深い話でした。

つまり何が重要かというと、人が成長していくときに、脳そのものよりも、脳が乗る体の構造とその周囲の環境なんだ。

これ、まさに「三つ子の魂百まで」のことじゃないですか!すごいねぇ、先人のことわざは。脳科学なんて発達していなくても、経験値として、この結論を導き出しちゃうんだから。

盲点などの見えていない部分を脳が補完する

で、続いて興味深かったのが、盲点の話。皆さんは、下図のような図で、自分自身の盲点を見つけたことってありますかね?
ボクは、小学生のころ、理科の授業の中で、この盲点を探す実験をしたことがあります。たぶん、高学年だったと思うので、「盲点」という言葉自体はしっていたものの、人間にあるんだぁ…なんて思った記憶があります。で、この実験では、下図のような図を使って実際に確認するんですが、本書の中でも、この盲点についての説明が書かれています。(同じような図は、本書の中にもあります)

やり方は簡単で、下図の黒い背景(右側)の中に白い点があると思いますが、この右側の白い点を、右目をつぶって左目で見るようにします。パソコンならモニターに近づく感じで、スマホなら液晶画面を前後に動かしていくと、ある程度離れたところで、左側にある黒い点が消える(全部白くなる)場所があります。(クリックすると、画像だけが開くので、スマホならかなりやりやすいかと…)

ちなみに、今度は、上下を逆にして、白い背景に黒い点がある方を右側にして、同じ方法で見てみると、今度は、白い点が消える(全部黒くなる)場所が見つかると思います。これが、盲点なんです。盲点については、デジタル大辞泉では、以下のように定義されています。

  1. 網膜の、視神経が入ってくる部分。視細胞を欠くため光が当たっても光覚を起こさないが、ふだんは意識されない。発見したフランスの物理学者の名からマリオット盲点とよばれる。盲斑。視神経乳頭。
  2. うっかりして人が気づかず見落としている点。「捜査の盲点を突く」

(出典:デジタル大辞泉

1の部分が、人間の盲点についての説明ですが、本書内では、以下のように説明されています。

盲点が人間にはある。必ず視界には見えていない場所がある。なぜ存在するのかもわかってる。外の世界が目のレンズを通して映される先が網膜だけど、網膜には穴があいているでしょ。
(中略)
視神経が集まって束になって出ていく部分だね。目の構造上、ここの部分だけは見えないんだ。盲点はちょうどこの視神経の出口にあたる。だから左右の目に1個づつ盲点はある。正面から外側に角度10度くらいの場所が一部見えない。

目の基本構造は、右図のようになっていますが、赤い丸の部分(盲斑)が、盲点となります。図だとざっくり描かれているんですけどね、実際には、凄い細かい神経1本1本が束となって、この部分から外側へと出ているということです。大きさとしては、人によって(もちろん、左右によっても)異なるのですが、およそ0.7mm程度。
で、目の構造上、このように、左右の目に盲点が存在しているんですが、この盲点があることで困ったことはないですよね?なぜ困らないかというと、脳が補完しているということです。
先ほど盲点を探したときに、白い背景の場合には白く見えたのは、周りが白なので見えないところも白だろうと見えない部分を埋め込んでいるということです。さらに、これは、盲点だけの話ではなく、目の中には、血管などもあるので、人によっては、血管が太くて見えるものを遮っている場合もあるらしい。その場合でも、同じような理屈で、脳が勝手に補完して景色を見えるようにしているということです。

網膜に移った画像で不足している部分を補ってくれるんですって。
凄いですよねぇ…人間の脳って。勝手に補ってくれるんですよ。

ただ、本を読みながら思ったんですけど、最近の視線検出技術を利用して、盲点(血管などによる見えない部分も含む)も検出することが出来れば、その人に対して透明人間になることも可能なんじゃないか?などと考えてみたりして…。カメラには映るけど、人には見えないという稲川淳二が喜びそうなネタが、テクノロジーで出来るかも…なんて。まぁ、実際には、左右の目があるので、無理だろうけどね。

君の瞳は100万画素

むかーし、アリスが「君の瞳は10000ボルト」という歌をリリースしましたが、こちらは100万画素です…。

で、なんで100万画素なのかって話なんですが、人間の目には、視神経の数が100万本あるということで、この100万本の視神経によって見える風景も補完しているって話なんです。書籍の中では、以下のように記載されています。

網膜から出て脳に向かう視神経の本数はどのぐらいあると思う?100万本もあるんだ、片目だけでね。100万本とはすごい数だ。
(中略)
視神経は100万本あると言ったけれども、デジカメに置き換えて考えてみると、ずいぶんと少ないような気がしない?だって見てごらん、この映写スクリーンの画像。文字がザラザラでしょ。100万画素しかないからね。もしデジカメのように目が働いていたら、これはとんでもないことになりそうだね。世の中ぜんぶガクガクに見えちゃう。逆に言うと、脳の中では、デジカメの方法とはまったく違う方法で、目の情報の処理がなされているのだろうと想像できる。
100万本というのは、おそらく写真のようにきれいに写し取るにはあまりにも少なすぎる。にもかかわらず、いま僕らが見ている景色も人の姿も文字もザラザラではないよね。
(中略)
少なくとも画素が粗くてザラつくことなく、なめらかには見えている。そういうふうに見えるということは、欠けた情報を補うような機能が脳に備わっているはずだ。

うん、確かに、先の盲点や血管もそうですが、普段の生活の中で、見えている映像がガクガクしていることなんてないですよね。なめらかで綺麗な映像を見られるというのは、脳が補完しているから…というのは、非常に興味深い。
で、いや、待てよ…と。この補完するロジックがテクノロジーとしてキチンと構築できると凄そうだゾ…。

ボクの世界とキミの世界は一緒なのか

科学が発達して、サカナの目が、魚眼レンズになっていることは分かっていますよね。昆虫とかも、複眼の昆虫がいることは分かっています。ただ、それが、どのように見えているのかは分からない。魚眼レンズを通してぐにゃっと曲がっているのは、あくまでも人間の目が魚眼レンズを見たからだし、複眼で見えるのも同じこと。
それに、同じ人間であっても、見るという機能はほとんど同じだとしても、体験してきたことや価値観などの個性に違いがあるボクとキミでは、見ている世界は同じかも知れないけれど、少し違って見えているのかもしれないということが書かれています。
で、これを読みながら、犬の鳴き声の話を思い出しました。世界各国て、異なる聞こえ方をするというのも、きっと同じことなんじゃないかと思うわけです。

「目はものを見るためにあるのか」……多くの人はそう信じて疑わない。でも、ほんとうにそう?たぶん違うな。まず世界がそこにあって、それを見るために目を発展させた、というふうに世の中の多くの人は思っているけど。
本当はまったく逆で、生物に目という臓器ができて、そして、進化の過程で人間のこの目ができあがって、そして宇宙空間にびゅんびゅんと飛んでいる光子(フォトン)をその目で受け取り、その情報を解析して認識できて、そして解釈ができるようになって、はじめて世界が生まれたのではないか。
言っていることわかるかな?順番が逆だということ。世界があって、それを見るために目を発達させたのではなくて、目ができたから世界が世界としてはじめて意味をもった。

うん、面白い。世界が世界としてはじめて意味をもったのか!確かにその通りかもしれない。

ホントはもっと書きたいのよ

とまぁ、ここまで、ちょっと興味のあった部分をちょいちょいかいつまんで書かせてもらいましたが、ここまでで、2章までも進んでいない(全部で4章まであるので、まだ半分も進んでいない)し、3章、4章でも、もっともっと書きたいこともあります。是非とも、興味のある人は読んで欲しいなぁとも思います。

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