視点のはなし

こんにちは。

いやぁ、暑い日が続いていますねぇ…。
朝、電車で移動するだけでも汗だくです。
冷房とかも使いますんで、皆さん、体調にはくれぐれもご注意ください。

さて、今回は、「視点のはなし」です。

物事を見る3つの目

物事を見るために必要な3つの目があり、「鳥の目」「虫の目」「魚の目」というのを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?ちょっとだけ説明させてもらうと、以下のような感じ。

鳥の目鳥は、獲物を見つけるために、高いところを飛んでいます。このため、高いところから全体像を把握する目のことに例えらています。
虫の目虫は、地面に近いところで暮らし、狭く深い世界にいます。このため、現場に接して足元を見つめ直す目のことに例えられています。また、虫の目の多くは複眼なので、近くで、さまざまな角度から物事を見るということも含めることもあります。
魚の目魚は、目には見えない川の流れや潮の流れの中で暮らしています、このため、その流れを読み取る目のことに例えられています。

「マクロとミクロ、それにトレンドを押さえなきゃダメよ」というものですね。
もちろん、これは大事なことではあるのですが、全員が当てはまる訳ではないと思っています。

ちょっと話が逸れるんですが、ちょっと前に、プロジェクトマネージャ不足が問題になったことがありました。
このため、猫も杓子もプロジェクトマネージャを目指せということで、色んなセミナーや講座などが盛り上がったことがありましたが、プロジェクトマネージャにも向き、不向きというものもあるため、全員がプロジェクトマネージャになることが幸せになるとは限りませんでした。

これと同じように、視点についても、すべての視点を誰しもが持っている必要はないと思っています。
ただ、意識はしていないと視点を持つことすらできませんので、その点は注意しておきたいところですね。

お客様目線(顧客視点)っていうのもあるよね

同じように、お客様目線(顧客視点)というのもありますよね。

「視点」という言葉には、2つの意味があります。
ひとつは、前述の「鳥の目」「虫の目」「魚の目」のようにどこから見ているかという立ち位置の話で、
もうひとつは、どこを見ているかという方向を示すものです。

顧客視点というのは、後者の意味で、どこを見ているかというものです。
顧客視点で…ということになると、どうしても「お客様アンケート」でも取ってニーズを探りましょう!みたいな話になるのですが、それもまた違います。なぜかというと、アンケートなどによって言語化しようとした途端に、ちょっとだけ着飾っているニーズになるからです。

何の本で読んだのか忘れてしまったのですが、こんな事例があります。

とある食器メーカーが「次に買うとしたらどんなお皿がいいか」というテーマで数名の主婦にインタビューし、
結論としては「これまでとは違ったお洒落で格好イイ黒の四角い皿」が良いって話になったが、
インタビューの謝礼として、食器サンプルから好きなお皿を1つだけ持っていっても良いですよ
ということになったが、集まった主婦たちは
「お洒落で格好イイ黒の四角い皿」は持って帰らずに「白い丸い皿」を持ち帰った。
理由を聞くと、実に現実的で
「黒い皿が1枚あっても使えない」とか
「四角いと食器棚に並べにくい」といった理由だったとさ。

という話。(思い出したら、ちゃんと掲載連絡と、リンク貼りますんで、ゴメンナサイ。誰か知っていたら教えてください)
黒い皿と白い皿のどちらが顧客視点の真のニーズか?ということになると、やはり後者だよね?ってことです。

お客様の行動をよく観察することが顧客視点に繋がっていくというものですね。

誰をどんな視点で見るのかが大事

ソフトウェア開発では、出来上がるソフトウェア製品が、誰向けのものであるかは重要です。
特に、コンシューマ向けのソフトウェアであれば、顧客視点というのは、最重要視すべきものだと思っています。

ところが、偉い方々からお客様目線で考えろ!とか言われることも多いとは思うのですが、なんとなくですが、言われれば言われるほどお客様の目で見ることは出来ずに、その言っている人の目を気にするようになるような気がしているのは、ボクだけですかね?また、そのときは、顧客視点と言いながらも、本当の顧客視点ではなく、開発側の思い込みによる顧客視点になっていることが本当に多いです。

特に「それは仕様と違う」とか言う人たちは、はっきり言って顧客視点にはなっていません。
良く聞かれるのが、「それは仕様と違う」というのは自分たちを守るためだと、お金にならないからだと…。
うん、わかるよ、その気持ちは。ただ、それは、ちゃんと顧客視点で仕様が変更する価値があるので、ちゃんとお金にしていくことを放棄しているようにしか思えないです。伝えきれていない君たちのせいだとも言えるはず…。

顧客視点で、あるときは俯瞰して、あるときは細部に渡り、あるときは流れに身を任せ、もう一度、自分たちのソフトウェアを見てみるのも良いかも知れないですね。

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